
平成6年生まれのわたしが、ちゃおっ娘だったころ
イラストレーター・編集者として、NEOWNでコラム・インタビューの編集を担当するヤマグチナナコ。彼女が今回扱うテーマは、少女漫画雑誌『ちゃお』について。今年30歳になった筆者が小学校低学年から読んでいた漫画たちを振り返りながら、当時の大好きだったマンガ・キャラたちを振り返ります。
2001年、ちゃおっ娘デビュー
少女漫画雑誌『ちゃお』を初めて買ったのはいつだったか。小学校に上がってから、いつの間にかみんなが読んでいたのが『ちゃお』。毎晩9時には就寝・テレビも一日一時間までだったので、モー娘の流行すら周りの同い年よりも少し遅めに知ったわたし。たしか『ちゃお』も2個上のお姉ちゃんがいる友達からの「ちゃお読んでる?」という問いかけで初めて知ったに違いない。もしくは、その友達の家で読ませてもらったんだっけ。
2001年から読み始め、段々と毎月買うようになり、いつしか発売日を楽しみにしていた日々。当時、連載〜完結までを月刊誌で読んでいた『Dr.リンにきいてみて!』『ブリリアントな魔法』『エンジェル・ハント』『こっち向いて!みい子』…タイピングするだけで懐かしさに溺れそうになるタイトルたち。
しかしまあ、当時の年齢から20年は経過してるわけで。タイトルこそ思い出せるものの、「どういう結末だったっけ…?」「キャラクターの名前…?」とだいぶ曖昧である。しっかり覚えてる漫画もあれば、断片的に設定を覚えている漫画、ある一コマが印象的な漫画などなど。でも、うろ覚えの記憶にも当時の気持ちが結びついていたりもする。
なのでこの記事では、せっかくなら懐かしいちゃお連載漫画たちについて、当時の記憶を頼りに懐かしんでみようと思う。本当に、ただそれだけの記事。なんてザックリしてるんだ、と責められてもしょうがない。そして、アラサーないし30代前半しか興味のないであろうコラム。超限定的すぎる、それもすいません。あのころ「ちゃおっ娘」だったみんな、あなたたちだけが頼りです。とりあえず、みんな集合!!!わたしのうろ覚えを呼び水に、記憶を掘り起こして。
『Dr.リンにきいてみて!』あらいきよこ先生(1999年〜2003年)
連載中は不動の人気だった『Dr.リンにきいてみて!』。めちゃ当たると評判の、Dr.リンのホームページ。実はその占い師が主人公・明鈴で…みたいな部分は覚えているんだけど、どうやって戦う風水師に覚醒するんだっけ?あれ?戦ってたよね?(※めちゃめちゃ戦っていました)
ちゃおを初めて手に取った当時、すでに連載中だった本作。あらゆる漫画の基礎知識になりうる「四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)」を初めて知ったのもこの漫画でした。
ちなみに少年漫画月刊誌「コロコロ」では『爆転シュート ベイブレード』も連載していて、どちらにもこの四神モチーフが掲載されていた。もう少し前だと、ビーダマンにも四神モチーフがあったらしい。これを読んでるみなさんはどんな漫画・アニメで、四神を覚えましたか?(これについては、別の機会で記事にしたいなと思っています)
最終話、それぞれの主要キャラと暮らしていた神獣たちが、式神やぬいぐるみ、ペットに戻っちゃうシーンは寂しかった。今まで仲良く話していたマスコットキャラたちとの別れ。「TADANO NUIGURUMINI…」「FUTSU NO SARU NI…」「KIETE SHIMATTA…」と手書きで描かれたローマ字。当時まだローマ字を習ったばかりだったから、必死に解読した。
兄・餃子が闇の王で、おじいちゃんがそれを止めるシーンも、最後に兄を明鈴が封印する場面も、感情が大変だったな。もう戦わないでほしい、と読みながら何度思ったことだろう。それでも戦い続けるリンがかっこよかった。最後の最後に天津が喋るのも激アツでしたね。
そして何より忘れられないのが、あらいきよこ先生の描くファッション。等身といい、デザインといい、組み合わせといい、すべてがおしゃれなんだよなあ。明鈴のチャイナ服にルーズソックスのコスチューム、めちゃ可愛かった…。流行が一周したのか、今読むと他キャラたちの洋服もすごい今っぽい。
話は逸れますが、この後に連載される『ビューティー・ポップ』も最高でしたよね。S・P(シザースプロジェクト)のネイル担当・南くんが優しくマニキュアを塗ってあげるシーン、大好きだった。男の子だってかわいいものが好きでいいでしょ、とやんわり伝えてくれる描写。今では当たり前だけれど、当時の「女の子はかわいく」「男の子はかっこよく」の二項対立のなか、ネイル担当が男の子のキャラクターなのは本当に嬉しかったし、好きな描写だったな。
『ブリリアントな魔法』宮脇ゆきの先生|2001年-2003年連載
たしか地味な主人公がひょんなことからメイクをし、モデルになって、友達・俳優と三角関係になる…? 突如現れた話題のモデルとして騒がれながら、二重の生活を送る日々。メイクで変身した彼女を愛する男の子と、素顔の自分を愛してる男の子の間で揺れる…みたいな感じだった気がする。(調べたら、だいたい合ってました。覚えているもんだ)
ちゃおに掲載されている漫画って、主人公が小〜中学生とかの場合が多かったけど、その中で『ブリリアントな魔法』はグンとお姉さんだった。物語も大人だったし、今改めて作画をみても、他の漫画よりも大人っぽい。三角関係の狭間と、モデル・実生活を行き来する心の動きを当時どれだけ理解していたのかは謎。ただ「どっちと付き合うの〜〜!?」と毎回悶々としながら読み進めていたのだけは覚えてる。モデル撮影中のアクシデントも多かったし。大変な現場だわあ。
当時はペーパークラフト系の付録が多い中、作中でプレゼントされる指輪が付録だったのも忘れられない。あの時期は、付録がプロダクト寄りになる転換点だった。あの指輪をもう一度見たくてネットサーフィンをしていると、割とすぐメルカリで発見。ハートが三つ並んだデザイン、当時は大人っぽく見えたな。それ以外の付録も出品されている…見覚えのあるグッズを眺めているうちに、一時間ほど経過していた。少しだけ欲しいような、欲しくないような。
※ネットサーフィン中に『Dr.リンにきいてみて!』の付録も発見。イラスト缶ケースにビーズのブレスレットと指輪…今の小学生にはちゃちすぎるかもしれない。けど、当時はこの四色のビーズが最高にかっこよかったのだよ…まあ、割とすぐ千切れちゃったけど…。
『エンジェル・ハント』おおばやしみゆき先生|2002年-2004年連載
記事を書きながら蘇ってきた漫画、『エンジェル・ハント』。普通の中学生・天音(父親がエクソシスト!)がひょんなことから見習い天使になり、同じく天使の親友・真由と一緒に幽霊退治をすることに。なんか結末に近づくにつれて、父親が死んだり、二人のどちらかが堕天使か結構暗めの話になって「重い!悲しい!けど、こういう関係性なんか…好きかも…(厨二の芽生え)」みたいな気持ちで読んでいた覚えが。気になったので久しぶりに最終巻を読んだら、覚えていた以上に重すぎる結末だった。最終話のエチェとミウッチャが向き合って笑うシーン、号泣せずに読めます???何回も読み返して、何回もこのページを眺めたな…。これもまた当時の小学生には高度すぎる関係性の描写。同じ相手を追うために転生した二人が、記憶を失って親友となり、再び対立する…。
あと、ここで触れたいのはまたもや付録。エンジェルハントのネックレスが!超かわいかったのよ!!『ブリリアントな魔法』の指輪もつけてたけれど、『エンジェル・ハント』のネックレスはそれを上回るおしゃれアイテムとして身に付けていた覚えがある。片翼の真ん中にピンク色のラインストーンが置かれてるんだよな。今、改めてちょっと欲しい…アクセサリーブランドが当時のちゃお付録を復刻版で発売したら、ぜっっったい買っちゃうだろうな。
『こっち向いて!みい子』おのえりこ先生|1992年-
いまだに連載が続いている、みい子シリーズ。一話完結型のいわゆるギャグ漫画ポジション…と思っていたけれど、よくよく思い返すと、作中で起こる出来事ってけっこう小学生にとってのあるあるが多い。友達としょうもないことで喧嘩したり、お互いの家庭環境が違うことでモヤモヤしたり、マラソン大会に出たくなかったり。大人からしたらしょうがないことでも、小学生にとっては一大事。それを「そういうことってあるよね!」と漫画内で一般化してくれるというか、ちゃんと出来事として掬ってくれるというか。ちゃお漫画の中でいちばん現実的で、小学生のわたしたちに寄り添ってくれていた気がする。
すごく覚えている話が何個かあるけれど、その中でも印象的だったのが(とはいえ話の全貌は忘れちゃったんだけど)みい子の友達・ユッコが自分の筆箱を掃除する一場面。新しいものをすぐ買うより、こうやってたまに掃除してあげると愛着が湧くんだ的な話をして(いた気がする)、「新しい筆箱がほしい」「もっとお小遣いがほしい」と言っていたみい子とまりちゃんが「自分も真似しよう」となっていた(気がする)。ただ、何巻に収録されてるかどうしても見つけられず…覚えてる人いたら教えてほしい。
あとみい子が高校生になる話も、す〜〜ごくドキドキしたのを覚えてる。これは読み返すことに成功しました(単行本12巻「高校生になっちゃった!?(前編・後編)」)。二頭身の小学生みい子の身長がスラッと伸びて、ハート型の携帯が可愛くて…当時はこの携帯がとってもかわいかった記憶があるんだけど、改めて読んでみるとそんなに描かれてなかった。携帯っていう存在がキラキラして見えたんだろうな。あと改めて読み返して、みい子の定期券が阿佐ヶ谷〜吉祥寺間なのにも気付いた。20年越しに彼女の生活圏を想像できて、なんだかちょっと嬉しい気持ちに。おーい、みい子〜!当時は知りもしなかった土地だけど、今は頻繁に出入りしているよ。もしかしたら、すれ違ったりしてるかもねえ。
まだまだ尽きない、ちゃお連載漫画たち
一つ思い出すと芋づる式に「あの漫画もあったな…」「あの先生が、次に描いた作品ってなんだっけ…」とどんどん記憶が蘇ってくる。友達と交換していた手紙・イラストを保存するのに使っていた『ぷくぷく天然回覧板』(竜山さゆり先生|1999-2005年連載)のペーパークラフトボックス。『めちゃモテ委員長』で紹介されていた美容豆知識たち。夜な夜な蜂蜜だかを口の周りに塗りたくって、母親にびっくりされた。本当は『ミルモでポン!』についても書きたかったんだけど、文字数の関係で泣く泣く編集。私は主人公よりも、恋敵役の日高安純ちゃんがすっごく好きでした。いろんな感情に揉まれながら、それでも結木くんに恋する姿。汚い感情も込みですごく共感できたな。あとスピンオフ系漫画も結構あったよね。もりちかこ先生のミニモニ漫画とか。あれ、全然書き足りないな!?

わたしの低学年時代の価値観形成に絶対大きな影響を与えた、ちゃお漫画たち。そこで描かれていた「かわいい」女の子像は、身長が高くて鈍臭くてかわいくないわたしの自信を削いでいた部分も、少なからずあったと思う。でもそれと同じくらい、主人公たちが駆け回り、いろんなことにぶつかりながら成長する姿に自分を重ねていたし、これから体験するであろう感情についての予習になっていた部分も大いにあった。
友達と喧嘩したとき、自分が傷ついているとき、誰かが傷ついているとき、お別れするとき、決断しないといけないとき、誰かに恋をしたとき、勇気を出さねばならないとき。ちゃお漫画の主人公たちはなぜかいつも先回りしていてくれて「こうしたらいいかもね」のヒントを撒いてくれていた。
少女漫画って、まだまだ語られることが少ない。特に小学生向け漫画雑誌は、割と卒業するのが早い分、記憶の後ろになっていってしまうもの。だけど、『ちゃお』で感じたときめきや感動や驚きは、瑞々しい心を持ったわたしにたくさんのタネを撒いてくれて、未だに「あ、そういえば…」と肩を叩く。もっとあの頃の漫画について考えたい。もっと、他のちゃおっ娘の思い出も聴きたい。このテキストを書きながら、そんな気持ちがどんどん大きくなっていく。平成の女の子たちにとって、ちゃおって何だったんだろう。
そして、同時に気になるのが、全国でちゃおっ娘だったみんな。読者投稿欄にハガキを送っていた子どもたちは、今どんな仕事・生活をしてるんだろうか。同じように、生活のなかでふと「あ、あの漫画なんだっけ」と思い返すこと、あるんだろうか。あったら嬉しいなと思うし、きっとあると思うんだよな。ちゃおっ娘だったみんな、どの漫画が好きでしたか?どの応募者全員サービスに申し込んでましたか?いつちゃおから卒業しましたか?聞きたいことがいっぱいあります。
ぜひ、この記事を読んで「ウワワ…」と蘇った記憶があれば、教えていただきたいです。ちゃおっ子だったみんな、もっかい集合。みんなでお菓子を持ち寄って、うちで漫画読もうよ。
ヤマグチナナコ【集合】
1994年東京都生まれ。編集とイラストが得意で、【集合】が生業。それ以外にもイベント企画やPodcast制作にも携わる。寄席、音楽、ラジオを愛しながら生きています。Twitter:@nnk_dendoushi
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