LAST ALLIANCE starts in earnest for the first time in 11 years! Interview about new song release, solo live performance, and the second chapter of LAST ALLIANCE!
LAST ALLIANCEが8月に11年ぶりの新作音源として4曲入りデジタルシングル『Bring Back Blue』をリリースした。11年ぶりに本格始動した彼らは、現在を「第二章」と呼ぶ。
第二章で彼らが見据えるものとは。安斉龍介(Vo, Gt)と松村孝彦(Vo, Ba)に話を聞いた。
11年ぶりの新譜作りは「ちょっと聞いてみてよ」から
──LAST ALLIANCEは、今年8月に4曲入りデジタルシングル『Bring Back Blue』をリリースしました。LAST ALLIANCEとして新譜をリリースするのは11年ぶりとなりましたが、11年ぶりに作品をリリースすることになった経緯から教えてください。
安斉 まっちゃん(松村)が曲を送ってきたんだよね。「ちょっと聞いてみてよ」って。
松村 それまでも飲むたびに、お酒が入っては「新曲作りたいね」っていう話をして、お酒が消えてはその話も消えていって。リアルに動き出したきっかけはサブスクの解禁だと思う。1stアルバム『TEARS LIBRARY』が最初にサブスクで解禁されて、そのあとVAP時代の音源が解禁されていったんだけど、2ndアルバム『UNDERGROUND BLUE』と3rdアルバム『Me and Your Borderline』だけ解禁されずに残っていて。それを解禁するタイミングで一緒に新曲も出せたらいいねという話をしていたんだよね。で、解禁の準備ができたところで、俺がもともとネタとして持っていた曲を「ちょっとこれ歌ってよ」って送ったことで動き始めました。
──11年間は新曲を作りたいねという話があってもお酒が抜けると共にその話も消えていったということですが、それでも今回動けたのはどうしてだったのでしょうか?
松村 ちょうど曲のネタがあったからかな。その期間、リリースできていなかったのは、とにかくそれぞれが忙しかったからという理由だけで、みんなLAST ALLIANCEをやりたいという気持ちは持っていたんですよ。そこで、とりあえず俺が1曲渡してみたら、意外と1曲出来ちゃって、「それじゃあ」ってどんどん重い腰が上がり始めて。
──動いてみたら意外と進められたと。
松村 はい。大変は大変だし、それぞれの忙しさは変わらないんだけど、それを覚悟して動いたという感じですね。
──最初にできた曲は「盲目のストレンジャー」ですか?
松村 はい。
──ではそれ以外の3曲は今回のために作った新曲?
松村 そうですね。
──11年ぶりの楽曲制作はいかがでしたか?
安斉 楽しかった。
松村 え、楽しかった?(笑)
安斉 俺はプロモーションや制作進行のことなどの頭を使わなかったぶん無責任だったから(笑)。とにかく楽しみました。
松村 10年前は全員にデモを渡して、みんなでスタジオに入って……っていう、いわゆるバンドの曲の作り方だったけど、今回は時間がないからデモからかなり作り込んで、……全員でいっせーのーせで合わせたのは完成したあとでした。
──レコーディング前は一度も合わせず?
松村 はい。レコーディング前には一度もスタジオ入らなかった。俺はベースを全部家で弾いたんですけど、ヘッドフォンつけて作業しているときに息子が話しかけてきて、ちょっと止めて、みたいな。生活の中で録っていく感じでした。レコーディングは、そうやって録ったものをデータで送り合って足していくという作業だったので、「お前、フレーズ変えた?」みたいな電話をやりとりしたりして。レコーディングのやり方は以前とはずいぶん変わりましたね。
──それまでに一緒に合わせてきた回数も時間もたくさんあるから、ひさしぶりのレコーディングでもそれができるんでしょうね。
松村 そうですね。あと、過去の音源で「ここもう一回やり直したいな」って思うところって必ずみんなあると思うんですよ、「もっとこうしておけばよかった」とか。そういうものに今回はチャレンジしてみたんです。たとえば、ミックスエンジニアを新しい方に依頼したり、ドラムでトリガー使ってみたり。音は全然違うと思う。
──ご自身の内から出てくるものとしては何か違いありましたか?
安斉 出てくるものはあんまり変わらないな。
松村 安斉は楽しんでいたしね(笑)。
安斉 昔はレコーディングが苦しかったから。もちろん自分たちの作品が完成していくのは楽しいんだけど、どうしても苦しい部分もあって。
松村 あったね。レコーディングが一番嫌いな作業だった。「早くツアー行きたい」って思ってた。
安斉 今回は全くそれがなかった。ひさしぶりだったから、遊びみたいな感覚でできた。
──松村さんはどうでしたか?
松村 楽しかったのは楽しかったですけど、期待値を超えないといけない、みたいな妙な重みはありましたね。あとは全体の進行を俺が担当していたから、スケジュールが大変で。レコーディングとか曲を作るのは楽しかったけど、それ以外はちょっと大変でした。
「今もバンドマンなんだぞ」って言いたかった
──今、「期待値を超えないといけない」というお話もありましたが、11年ぶりの新作ということで、作品としてどういうものを作るかという構想やテーマはあったのでしょうか?
松村 いや。安斉と「どんなのある?」って言ってデモを揃えて。最初「盲目のストレンジャー」があって。あとは2曲目の「Rewind」があって。この2曲はちょっと近いタイプだと思うんですけど、そこにちょっとタイプの違う「LAST ALLIANCE II」が出てきて、そうすると、ちょっといわゆるメロディックパンク系の曲がもう一つくらい欲しいなっていう話になって「シオン」を作ったっていう感じですね。リリースするにしても、どうリリースするか、最初は全然決めていなくて。2曲ずつ出すかという話もあったんですよ。でも11年ぶりに出すわけだし、新しいLAST ALLIANCEを感じてもらうなら4曲くらいのバリエーションが必要だと思った。「盲目のストレンジャー」と「Rewind」だけ先に出したら「こんなバンドになっちゃったんだ」って思われるかもしれないし、かと言って「LAST ALLIANCE II」と「シオン」だけ出すと「いろんなことやってたのに結局メロディックパンクにいくんだ」って思われる。どっちも嫌だったので、ミニマムな形での詰め合わせパックみたいになったという感じですね。
──今のLAST ALLIANCEをちゃんと見せたかったと。
松村 そうですね。そんなに数は多くないにしても「11年ぶりにどんなの出すんだろう」って期待してくれていた人はいたはずなので、その期待値はどうしても超えていきたかった。だからこの4曲を一気に出せてよかったなと思います。
──リリース発表の反響はかなり大きかったですが、その反響をお二人はどのように受けていますか?
松村 うれしかったですよ。
安斉 うん、シンプルにうれしい。
松村 別に僕らがやりたくてやるものだから反響はなくてもよかったけど、予想以上に反響があってうれしいな、ありがたいなと思いました。
──楽曲リリース後の感想は届いていますか?
松村 僕は友達のバンドマンとか、音楽関係者に聞いてほしいなと思って、いっぱいLINEで送っちゃったんですよ。その反応が面白かったですね。マイナーコードでツービートのザ・LAST ALLIANCEな「LAST ALLIANCE II」をいいと言ってくれる人もいれば、1曲目「盲目のストレンジャー」をいいって言ってくれる人もいたり。感想がバラバラで面白かった。
──友達のバンドマンや音楽関係者に聴いてほしかったのはどうしてですか?
松村 俺は今も音楽の仕事をしているけど、やっぱりずっとバンドマンでありたいっていう気持ちが心のどこかにずっとあって。だからアクティブには動けていないけど、今もバンドマンなんだぞって言わせてほしかった。「バンドマン、ここにいますよ」っていうお知らせというか。
安斉 マーキング?(笑)
松村 みたいな。「曲出していますよ」って言いたかったんだと思います。それにツアーに誘ったり誘われたりしていた人たちと、どうしても疎遠になってしまっていたので、そういう人たちに連絡する口実になったのもよかった。それをきっかけにちょいちょいやりとりがあって、それが面白かったし、うれしかったですね。
──そして8月18日にはレコ発ライブを行いました。ライブの手応えはいかがでしたか?
安斉 楽しかったです。今日「楽しかった」しか言っていないんですけど(笑)。でも本当に楽しかったんですよ。毎日のようにライブをしていた11年前以前の、エモーショナルが全部詰まっていたあの頃のライブと同じかと言ったら、それは違うかもしれないけど、でもフロアのみんなも楽しそうにしていたし。やってよかったなと思いました。
松村 僕は結構練習していったんですけど、その成果が3割ぐらいしか出せなくて……。自分の思い描いたものとは程遠い出来だったので、3月のワンマンは頑張りたいです。でも楽しかったです。
──3割しか出せなかったのは緊張やプレッシャーからですか?
松村 緊張だったり昂りだったり。ライブが良ければ、そこからステップアップしていけるじゃないですか。10数年前やっていた中で一番大きな会場が赤坂BLITZなんですけど、今はやるならそれを超えていきたい。赤坂BLITZはなくなっちゃいましたけど、同じくらいのキャパで言うと、O-EASTですかね。それ以上の会場でできるようになりたい。いつになるかはわからないけど。そういう気負いを持って挑んだ結果、1本1本のライブで失敗できないなと思ったら緊張しちゃったんだと思います。
──「大きくなるために失敗できない」と気負ってしまったり、制作が楽しかったり、お二人とも、すごくピュアな気持ちで今またバンドに向き合えているんですね。
安斉 そうですね。
松村 言ってて恥ずかしいですけど、ピュアなのかもしれないです。
──先ほどお話にもありましたが、3月にはワンマンライブ「ONEMAN SHOW “Bring Back Blue”」が控えます。こちらはどんなライブにしたいと考えていますか?
安斉 ひさしぶりのワンマンだし、すごいライブにしたいですね。できる・できないはまだ検討中ですが、以前やっていたような映像を使う演出もやりたいなと思ってはいます。
松村 正直、最初はワンマンのつもりはなくて。とりあえず3月1日に会場(WWW X)だけ抑えたんです。で「ゲストどうする? 2バンドかな、3バンドかな」っていう話をしたらHIROSHI(Dr, Cho)が「え、ワンマンじゃないの?」って言うから、「ワンマンだよな!!」って慌てて言うみたいな(笑)。そこで、ワンマンに切り替わったので。頑張らなきゃなと思っています(笑)。
杖をついてステージに立つまで続けたい
──「LAST ALLIANCE II」の歌詞にもある通り今は「第二章」という感覚ですか?
安斉 うん、いろんな意味で第二章ですね。もしかしたらすごく緩くはなるかもしれないけど、もう一回ここからスタートできたらいいなと思っています。昔は「とにかく音楽で食べていきたい」「音楽で生きていかなきゃいけない」という焦燥感で活動していたから攻撃的だったんですよね。だからこそ良いものがいっぱい生まれた。でも今はそうじゃない。でもだからってバンドをやっちゃダメなわけはないわけで。それがLAST ALLIANCEで叶えられてうれしいし、50歳から死ぬまでのLAST ALLIANCEがどうなっていくのか楽しみですね。
──ペースよりも、止まらずに進んでいくことを優先して。
安斉 いや、止まっちゃうかもしれないですよ、そりゃ。誰かが病気になるかもしれないし。だから止まっちゃうかもしれないけど、そしたら次は第3章がある。そうやって、杖をついてステージに立つまで続けていたいなと思っています。
──頼もしいですね。先ほど、昔は生活のためにもバンドをやっていたという話がありましたが、そういう意味で言うと、今は生活のことだけ考えたらバンドはやらなくてもいいわけですが、今のお二人にとって、このLAST ALLIANCEというバンドはどういう存在なのでしょうか?
安斉 僕は人生の……かなり大きい部分を占めていますね。「人生そのもの」と言えるかはわからないけど、「LAST ALLIANCEがないと今の自分はない」とは言い切れます。だからずっと続けたいし、さっき言ったように焦燥感はなくなったとしても響かせることはできると思っていて。ポップスバンドはそりゃずっと響きますよ、Mr.Childrenとかさ。でも僕らみたいな、ライブハウスでやっているロックバンド・パンクバンドがのんびりやっていても響くバンドというものを開拓していきたいですね。
松村 俺もそう。おっしゃる通りもうバンドはやらなくてもいいかもしれないけど、俺にとっても、他のメンバーにとっても、LAST ALLIANCEは人生そのものだし、自分のアイデンティティ。だからこそ「アイデンティティは守らないといけない」という思いがずっと強くて。ずっと「焼來肉ロックフェス」というありがたいフェスが毎年LAST ALLIANCEを呼んでくれていて、おかげで継続できていたという部分もあったんです。そこでなんとか繋いでいた、という表現が近いかな。そうやって、自分のアイデンティティの炎をずっと消さずに灯していたという感じだったんです。でも少し前に、安斉が「50になったって俺ら全然いけるっしょ。ロッキンとかも出るしさ」みたいなことを、さらっと言ったんですよ。そこでハッとしちゃって。別に過去を超えない理由は一つもないなと思った。一回止まっていたからって、今からでももっと広いところに行けちゃうかもしれないんだよなって。そのためには、もっと先に進む活動をするべきだと思って火が付いた。だから今回音源も作ったし、SNSでの発信も積極的にするようになったし。3月のワンマンもソールドアウトさせたいし、もちろんロッキンにも出たい。当時と同じことをやっているというカッコよさもあると思うんだけど、俺らはそうじゃなくて、「昔よりカッコいいね」って言われるような作品を作って、お客さんも増やして、さらに大きな会場で活動をして。そうすることで、単純に自分でも「俺のアイデンティティ、いいじゃん」ってさらに思えるようになるんじゃないかなって、今は思っています。
──楽しみにしています。NEOWNストアでは、Tシャツも販売しました。
松村 よくコアなお客さんから「初期Tシャツが欲しい」ということを言われていて。それで前回、初期ロゴのTシャツを販売したのですが、それ以外のデザインのデータが出てきたので、今回はその中から3rdアルバム「Me and Your Borderline」のときのものと、「Re:frain」をはじめとするシングルのときのものを復刻させました。ライブに来られない地方の方にも届けられたらと思って通販にしました。
安斉 当時を知っている方はもちろんですけど、最近好きになった方もぜひ。
松村 最近ロックTって普通に人気じゃないですか。だからそういう感じで買ってくれてもいいよね。
安斉 そうだね。
──最後に。「NEOWN」は推し活オタ活推進メディアなので、お二人の今推しているものや推したいものを教えてください。
松村 僕はお笑い芸人の永野さんがやっているYouTube「永野CHANNEL」。永野さんってすごく音楽詳しいんですよね。おそらく年齢も近いのかな、だから聴いている音楽も近くて、見ていて「そうそうそう!」って思わず言いたくなっちゃう。めちゃくちゃ見漁っています。
安斉 “永野推し”だ?
松村 そう、永野推し(笑)。
安斉 僕はソロキャンプですね。
松村 昨日も行ってたよね?
安斉 行ってた。昨日は、山梨県の道志村に。
──そこで曲が生まれたりも?
安斉 いや、生まれないですね(笑)。ただぼーっとする。でもなんだかんだやることいっぱいあるんですよ、キャンプって。まずは設営をして、設営が終わったら今度は飯を作って。そしたらあっという間に夜になって。「やばい、川に入り忘れた!」とか言ってるうちに朝になって片付けなきゃいけないんで。
松村 フリータイムはどれぐらいあるの?
安斉 どれくらいだろ。
──ご飯を食べる時間はフリータイムに?
安斉 それが意外とフリータイムじゃなくて。「ここに置いた調味料はどこ?」とかやってるんで、みんなで飲みに行くほうがよっぽどフリータイムですよ。でもそういうことをやっているのが楽しいんですよね。ちょっとした達成感みたいなものもあって。いいんですよ。
Text and interviews by Chie Kobayashi
Live information
Date: Saturday, March 1, 2025
Name of the show: LAST ALLIANCE ONEMAN SHOW "Bring Back Blue
Venue: WWW X, Tokyo
Time: Doors open 17:00 / Concert begins 18:00
Performer:LAST ALLIANCE
Ticket: ¥4,500 (advance sale, tax included, drinks not included)
INFO: Eighty Field 03-5712-5227 / http://www.atfield.net/
Release Information
<Digital Single "Bring Back Blue" on streaming
[Track List].
1. Blind Stranger
2.Rewind
3.LAST ALLIANCEⅡ.
4. Zion
▼ "Bring Back Blue" stream/download
https://VAP.lnk.to/Bring_Back_Blue
▼LAST ALLIANCE – 盲目のストレンジャー[Official Lyric Video]
https://youtu.be/g3X-vnvRiSw
▼Playlist Information
First release live event held in almost 9 years
LAST ALLIANCE presents「UPRISING 2024 ~Bring Back Blue 新曲だョ!全員集合!」セットリストプレイリストを各ストリーミングサービスにて公開中!
You will surely be immersed in the aftermath of the live performance! Please listen to it.
setlist playlist
https://VAP.lnk.to/uprising2024
▼LAST ALLIANCE All song stream/download
https://VAP.lnk.to/LAST_ALLIANCE
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