iri、新曲「Pick you up」も披露した、今年最後の東阪ワンマンLIVE『iri Presents ONEMAN SHOW “East/West”』東京公演が大盛況にて終了。
シンガーソングライターのiriが11月28日(木)に東京ガーデンシアターにてワンマンライブ『iri Presents ONEMAN SHOW “East/West”』の東京公演を行った。
2024年は、デビュー8年目にして初めて行った日本武道館公演をはじめ、フジロックフェスティバル ’24やROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024、30th Sunset Live 2024など、大型夏フェスへの出演を重ねてきたiri。アルバムのリリースはなかったものの、初の地上波ドラマ主題歌「Swamp」を含むシングル4作を発表しながら、ハナレグミ、SuchmosのTAIKINGとコラボレーションを行うなど、充実した活動を続けてきた彼女が立つ2024年最後のワンマンライブ。開演前のステージにはオープニングDJとしてプロデューサーのgrooveman Spotが立ち、2台のターンテーブルから紡ぐ極上のR&Bで会場を満たした。
そして、その心地良い流れを引き継ぐように、キーボードの村岡夏彦とマニュピレーション/エレクトロニクスのジョージ(Mop of Head)、ベースの村田シゲ(口ロロ)、ドラムの山下賢、ギターの竹村郁哉(Yogee New Waves/ampel)からなるバンドメンバーが登場。彼らが生み出す「Never end」のメロウグルーヴに乗ったiriが歌いながら登場し、この日のライブは始まった。時と感情の移ろいを感じさせるスペーシーなファンクナンバー「breaking dawn」からゆるやかなダンストラック「CAKE」、瞬くような「Sparkle」とシームレスに楽曲をつなぎながらテンションを高めていった。

4階席まである客席がステージを囲むように配置された会場の作りを確かめながら、ギターを手にしたiriの「ちょっと武道館に似てるよね。まだまだ始まったばかりなんですけど、みんな行けますか?」という一言と共に始まったのは「Swamp」。ロックとヒップホップを掛け合わせた重厚なサウンドが新機軸といえる1曲だ。ここからギアを一段階上げると、歌とラップを巧みに使い分けながら、都会的な躍動感に満ちた「摩天楼」、日本武道館公演当日に発表されたリキッドファンクチューン「Run」を駆け抜けるように披露した。
「久しぶりの曲も聴いてもらえたらうれしいです」と、リラックスしたMCを経て演奏されたのは2ndアルバム『Juice』収録の「ガールズトーク」。日常の温度感を伝えるグルーヴに乗せ、パーソナルな情景を描いたその後は、ゲストにReiを迎えたファンクロック「Freaking」。目の覚めるようなギターソロに煽られ、一気にボルテージが上がったオーディエンスのハンドクラップを従えてのゴスペルソウル「24-25」で前半のピークを迎えた。
ギターを手に、異例のロングヒットを記録した代表曲「会いたいわ」から始まった後半は、シンガーソングライターらしく「ナイトグルーヴ」、「Corner」と続くメロウな音の波に内面のゆらぎを投影。武道館をはじめとする2024年のライブを振り返る回想的なMCを挟み、久しぶりにピックアップしたオーセンティックなR&Bナンバー「miracle」、小気味よいラテンマナーのピアノを織り込んだ「Season」を披露したiri。一年を通じて走り続けてきたからこそ自身のホームであるワンマンライブにあたたかさと落ち着きを感じているのであろう。「前回のツアーで練習したはずだから、みなさん、歌えますよね?」という一言から始まった日本レコード協会“”ゴールド認定”の代表曲「Wonderland」ではオーディエンスのシンガロングで会場は一体に。そして、自らに言い聞かせるように「自分のリズムでいきましょうね」と語った「rhythm」からオープニングDJを務めたgrooveman Spotプロデュースにして今回のワンマンライブに向けて制作された瑞々しいハウストラック「Pick you up」を本編ラストに披露。全国各地のファンをiriが“迎えに行く”というメッセージと、iriが過去の自分自身を“迎えに行く”というもう一つのメッセージが込められた楽曲は、iriが立つ現在地、その心地良さがありのままに鳴らされていた。
アンコールでは、この一年の活動を支えてくれたファンに感謝を述べながら、真っ直ぐなボーカルとシンプルなバンドアレンジで「hug」を歌ったiri。その楽曲は恋愛や家族、ファンなど、色んな関係における再会を想像して書かれたものであるが、英気を養うような今回のワンマンライブを経て、来年2025年には新しい音楽を携えた彼女との再会がすぐそこに待っているはずだ。




TEXT:小野田雄
PHOTO:田中聖太郎
『iri Presents ONEMAN SHOW “East/West”』
2024/11/28(木):東京ガーデンシアター公演
OPENING DJ:grooveman Spot
[セットリスト]
01. Never end
02. breaking dawn
03. CAKE
04. Sparkle
05. Swamp
06. 摩天楼
07. Run
08. ガールズトーク
09. Freaking (ゲスト:Rei)
10. 24-25
11. 会いたいわ
12. ナイトグルーヴ
13. Corner
14. miracle
15. Season
16. Wonderland
17. rhythm
18. Pick you up
アンコール
19. hug
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