現役大学生による5人組バンドluvが、結成若干1年半にして初の海外公演となる台北でのワンマンライブ「yet in Taipei」を1月4日に台北のPIPE Live Musicにて開催した。

昨年7月にリリースしたメジャーデビュー曲「Fuwa Fuwa」が台湾のSpotifyバイラルチャートでTOP3に入り、リスナーが急増しメディアでも多数紹介されたことをうけ開催されたもの。
開催告知が1ヶ月前ほどだったにも関わらず、この日のチケットは即完売。
結成、デビューからまもないバンドとしては異例の反響の受けて当日を迎えることとなった。

luvはまだ活動開始から日が浅いため日本でもワンマンライブを開催した経験がなく、なんと台北で初めてのワンマンライブを開催するという異例づくしの公演となった。

開演前からライブハウス前のフロアは超満員、あふれんばかりの熱気でファン達が開演を待ちわびる中SEが流れライブがスタート。初の海外でのライブ、初のワンマンライブというプレッシャーでリハーサルから緊張をしていたメンバー達であったが、メンバーが順にステージに登場すると割れんばかりの歓声があがり迎えるオーディエンスの熱量に驚いた様子を見せながらもHiyn(Vo/Gt)が「Are you ready? Taipei」と煽り演奏が始まる。

一曲目は最新シングル「柔軟剤DOPE」から。サイケデリックでエネルギッシュなダンスチューンに体を揺らして聞き入る観客達が印象的であった。続いてluvのバンドので定番盛り上げ曲「Motrr」が大きな歓声の中始まり、各メンバーのソロ演奏でメンバー紹介をしていくとボルテージが一気に上がっていた。

ここで最初のMC、中国語での挨拶を交えながらもHiynのキャラクターは変わらず演奏とのギャップでリラックスさせると、「Gum i」「Cooen」とスローテンポの楽曲に突入。luvらしいネオソウルの雰囲気を感じられる演奏でメンバー自身もステージ上で体をゆらしluvのグルーヴを鳴らしていくと、続いては台北でMVを撮影した「好人紀行」へ。一緒に歌詞を口ずさみ楽しそうに体を揺らすファンの姿が印象的であった。

続いてのMCでは、「まだ日本でやったことないワンマンライブを初めて台北でやってます!」と話すと割れんばかりの歓声があがり、「もうここに住んじゃおうかな」とHiynがこぼすほどあたたかいファンとのコミュニケーションを楽しんでいた。

中盤のスタートは、まだ日本でも演奏をしていない未発表の新曲から。luvのルーツを感じさせるACID JAZZ的なクールなダンスナンバーの中、Rosa(Key)の超絶技巧のソロプレイを魅せるなど進化を感じさせる楽曲となっていた。「R.Wiseman」「各々(OnonO)」に続いては、「はじめてのチュウ」をスティーヴィーワンダーの「Sir Duke」に乗せたアレンジでのカバー曲を披露。あたたかいソウルフルな楽曲とかわいらしい雰囲気がこのバンドらしいカバーアレンジであった。

終盤戦は、「Jamlady」「Stevlay」に続き、またしてもカバー曲を披露。シティポップの名曲「プラスティック・ラブ」のイントロのが始まると、観客からは驚いたように歓声が上がり、海を超えて広がったこの楽曲が日本のアーティストと海外の若いリスナーを繋いでいることを実感できる瞬間であった。

そのまま、このライブの開催へつながるきっかけとなった楽曲「Fuwa Fuwa」の頭サビへシームレスに流れ込むと、この日1番の歓声があがり楽曲の人気の高さが実感された。

最後はluvのライブの定番となっている「luv’s Funk」から「Lee Un Vile」でそれぞれのプレイヤビリティを見せ、そして激しく観客を盛り上げていくこのバンドのライブの本領を発揮し本編は終了。

アンコールではさらに未発表となる新曲を初披露。レトロソウルの雰囲気のあるあたたかい雰囲気の新曲で、この楽曲をメモリアルなライブの最後に選んだことがバンド名の「luv」を象徴しているような大団円であった。

ほとんどが若い世代の現地ファンで埋め尽くされていたのが印象的で、luvの楽曲が海を超えて同世代のリスナーに届いていることを強く感じられるライブとなった。

写真:横山マサト

luv / yet in Taipei

2025.1.4
@台北PIPE Live Music

1.柔軟剤 DOPE
2.Motrr
3.Gum i
4.Cooen
5.好人紀行
6.新曲
7.R.Wisemen
8.各々(OnonO)
9.はじめてのチュウ(Sir Duke)
10.Jamlady
11.Stevlay
12.プラスティック・ラブ
13.Fuwa Fuwa
14.luv’ s funk
15.Lee Un Vile
En.新曲