「足んないなら、次のライブで」――BIGMAMAを迎え撃った自主企画でLAST ALLIANCEが示した、次なるステージへ進む覚悟
「足んないなら、次のライブで」。全12曲に及ぶ熱演を終えて、MATSUMURA(Vo.Ba)はこんな言葉を投げかけた。およそ11年ぶりとなる作品『Bring Back Blue』を2024年8月にリリースし、再びアクセルを踏み始めたLAST ALLIANCEが、2025年11月8日(土)東京・新代田 LIVE HOUSE FEVERにて開催した『BBBが止まらない。』。BIGMAMAをゲストに迎え、白昼堂々ぶつかり合ったこの日は、LAST ALLIANCEがこの先も続いていくことを、まだまだ明るい未来が待っていることを伝えていた。

「今日は端から端まで、バッチリひとつになっていこうぜ」というANZAI(Vo.Gt)の誘いと共に「LAST ALLIANCE」で火蓋が切って落とされる。これ以上ない自己紹介。ツービートやメロディック・ハードコアを核としつつも、ANZAIとMATSUMURAが生み出す質感の異なるトーンを、時に衝突させながら、時にミックスしながら昇華してきたのが彼らの戦い方だ。それは「ガンガン行くよ!」と突入した「Rebel Fire」にも、数音のクリーントーンで静寂を演出したのち、<醜さも優しさも憎しみも愛情も執着も 鏡に映るありのままの僕を剥き出しにしてよ>と素っ裸の魂を燃焼させるのだと断言する「a burning bullet」にも流れている血液であり、彼らがグッドメロディーを追い求め続けてきた証左でもある。

「一緒に遊べるようになって感無量です。みんなも僕らも目の前の1分1秒を大切に生きて、一生懸命やるしかない。俺たちの衝動を取り戻そうぜ」と投下した「人間に告ぐ」は、システマティックで無機質な現実に対して懐疑的な視線を向けながら、人が人らしく、優しく強く生き抜くための方法を模索していくナンバー。彼らはこうして生き抜く術を探す中で、自らの生活を、ステージから降りた後の暮らしを顧みたのであり、その結果としてこのバンドこそが人生に不可欠であると気付き直したのであろう。そう思うと、ブリングバックするべき衝動とは、単なる懐古ではないはず。4人で音を鳴らすプリミティブな喜びは忘れずに、それぞれが各地で蓄えた栄養をアンサンブルへと与え、より純度の高い衝撃を実現すること。それが現在のLAST ALLIANCEに課せられたテーマなのだ。

細かく挿入されるブレイクがつっかえながらも走っていく背中を映し出す「羅針」を終え、披露された新曲「幻影革命団」は、まさしくその命題への回答だった。4人のシャウトを合図に濃密なやり取りを展開するこの曲は、「羅針」や「Fly again, hero」で描いてきた歩み通すことの尊さと「顔からズッコケるくらいが丁度良い」とでも言うような勇ましい態度、「人間に告ぐ」から汲み取れる社会に対する批判的な視線を編み込んでいく。その上で、最後に至るラインが<革命前夜に響け 終わらない唄を歌え 人生とは存在証明 合言葉は最終同盟>なのだから心憎い。同志たちと再び共闘し、生きる意味というあまりにも真っ直ぐなものへ飛びかかっていくこと。酸いも甘いもを知り尽くした上で鳴らされるこうしたピュアすぎる情動は、到底太刀打ちできないほどの強度を誇っているのである。

「全力で来いよ!」とMATSUMURAの一声で雪崩れ込んだ「LAST ALLIANCE II」でシャウトされる<Breaking limit!>の一節も、培ってきた経験値だけを拠り所にするのではなく、ベストを更新するためにファイティングポーズを取り続けるのだという覚悟の表象。つまり、現在のLAST ALLIANCEは、ギターやベースを初めて手に取った数十年前以上に、貪欲で泥臭いのだ。攻撃的な音像からも伝播してくる瑞々しいエネルギーがあるからこそ、彼らは堂々と第二章を宣言できたのであり、新たなるスタートラインに立つことを恐れなかったのだろう。「TODAY」で「今日を踊り切れ」というメッセージを改めて届けると、ラストは「片膝の汚れ」を。<理想の丘で君と見たいよ 目を逸らさず明日を追え>の一行は、巡り巡って2025年のLAST ALLIANCEを体現するような言葉になっている。手探りで新たなバンド像を創造しながら今に苦心するメンバーの表情を目撃し、そんな確信を抱かずにはいられなかった。
アンコールで「TRUTH IN MY ARMS」をプレイし、1日を締めくくったLAST ALLIANCE。初披露された新曲「幻影革命団」を筆頭に、この日のMCからは、次なるツアーやアルバムの存在も朧げに見えてきた。なおかつ、そうした作品群を、あくまでも自然体のまま生み出そうとしている様子が垣間見えたのも喜ばしいところ。今にも終わってしまいそうな儚さではなく、明日があることを当然だと錯覚してしまうほどに、4人の目は滾っていたのである。その事実の、なんと尊いことか。結成から20年を超えてもなお、満足を知らないLAST ALLIANCE。彼らの革命の旅は、どこまでも続く。

text : 横堀つばさ
photo : Seijiro Nishimi
【リリース情報】
Digital Single『幻影革命団』
[Track List]
1.幻影革命団
https://lnk.to/geneikakumeidan
▼LAST ALLIANCE All song stream/download
https://VAP.lnk.to/LAST_ALLIANCE
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